韓国人【名前の呼び方】フルネームで呼ぶ理由 関係性による使い分け
韓国ドラマを見ていて驚いたことの一つに、やたらとフルネームで呼ぶことをあげる人は多いのではないでしょうか?
韓国文化において、名前の呼び方は非常に重要です。
相手との関係性や状況に応じて変わるため、正しい呼び方を理解することが求められます。
この記事では、韓国人の名前の呼び方について紹介します。
フルネームで呼ぶ理由
韓国人の苗字は種類が少ない
日本人の苗字は、①佐藤・②鈴木・③高橋をはじめ数十万種と言われています。
一番多い佐藤さんでも人口の2%にも及ばないそうです。
それに比べ韓国人の苗字は、300種余りと少なく、上位の①金(キム)・②李(リ)・③朴(パク)・④崔(チェ)・⑤鄭(チョン)で人口の過半数以上を占め、一番多い金(キム)さんだけで約20%もいるそうです。
韓国人の5人に1人は金(キム)さんということになります。
BTSメンバーの苗字を例に見るとよく分かるよ。
わぁ〜本当だ!金(キム)さんが3人もいるね!
日本のように『苗字 + さん』で呼ばずに『フルネーム + さん』で呼ぶことで、誰のこと呼んでいるのか区別することができます。
『苗字 + 씨』と呼ぶのはタブー
日本では『苗字 + さん』と呼ぶのが一般的ですが、韓国では『苗字 + 씨(〜さん)』と呼ぶのは非常に失礼に当たります。
それは昔、奴婢など身分の低い人に対して使っていた呼び方だからです。
なので『苗字 + 씨』と呼ぶのは絶対に避けましょう。
初対面で年齢を聞く理由
日本では初対面でなくても相手の年齢を聞くのは失礼という認識がありますが、韓国では初対面であっても、まず相手の年齢を確認するのが一般的です。
それは儒教思想の影響で、一歳でも年上であれば相手を敬う必要があるからです。
年齢を把握することで相手に対する適切な言動ができ、礼儀正しく振る舞えるのです。
年齢は、どう聞いたらいいの?
いくつか聞き方があるから紹介するね。
名前の呼び方
『フルネーム』
日本と同じで呼び捨ては乱暴なニュアンスです。
『フルネーム + 씨』
まだあまり親しくない相手に使います。
またフォーマルな場での公式的な呼び方です。
「씨」は(〜さん)を意味し、依存名詞なので分ち書きをします。
리정혁 씨(リ・ジョンヒョクさん)
윤세리 씨(ユン・セリさん)
『苗字 + 肩書き + -님』『肩書き + -님』
ビジネスシーンなどで、相手の肩書きが分かっている場合は、『苗字 + 肩書き + -님』や『肩書き + -님』と呼びます。
「-님」は(〜様)を意味しますが訳さないのが自然です。
接辞の接尾辞なので前の語に付けて書きます。
구원 본부장님(ク・ウォン本部長)
교수님(教授)
目上の人に対しては、この「-님」を必ず付けます。
日本語の感覚で『苗字 + 肩書き』にならないように気をつけましょう。
同僚や部下に対しては、『苗字 + 肩書き』で呼んだり、『フルネーム + 씨』もしくは『下の名前 + 씨』で呼びます。
『下の名前 + 씨』
親しい相手に使います。
『下の名前 + -아/야』
友だちや年下またペットなどに対して、親しみを込めて呼びかける時に使います。
「-아/야」は助詞なので前の語に付けて書きます。
「-아/야」の使い分けは、名前の最後の文字にパッチムがあるかないかで、パッチムがある場合は『下の名前 + -아』、パッチムがない場合は『下の名前 + -야』を付けます。
민영아[ミニョンア](ミニョン)
윤아야[ユナヤ](ユナ)
『下の名前 + -이』
友だちや年下またペットなどを話題に出す時、親しみを込めて『下の名前 + -이』を付けます。
この表現は名前の最後の文字にパッチムがある場合に限られます。
연탄이[ヨンタニ](ヨンタン)
番外編
相手の性別関係なく年上の人に使える呼び方として『선배/선배님先輩)』があります。
その他には年上の人に向けて親しみを込めた呼び方として、女性は、年上の男性に対して『오빠(お兄さん)』、年上の女性に対して『언니(お姉さん)』と呼びます。
男性は、年上の男性に対して『형(お兄さん)』、年上の女性に対して『누나(お姉さん)』と呼びます。
この場合、実の妹や弟である必要はなく、親しい間柄であるという好意的な呼び方です。
まとめ
いかがだったでしょうか?
もちろん例外もあり、その場のニュアンスが全てなのですが……
韓国人は相手との関係性によって様々な呼び方をします。
それは名前の呼び方が単なる言葉以上の意味を持っているからです。
相手との関係性、年齢、社会的地位を考慮しながら適切な呼び方を選ぶことで、相手への敬意を表し、良好な人間関係を築くことができます。
日本人には馴染みがなく複雑に感じるかもしれませんが、ドラマを見るときには、ぜひ呼び方に注目してみてください。
相手との関係性をより理解できて楽しめますよ。
是非、韓国文化の深さを感じながら、正しい名前の呼び方を身につけていきましょう。